2009/01/22

いい加減前置きの長さに
うんざりしたみなさま
お待たせしました・・・!?

話がくどいのは
酔っぱらいの性質でして・・・。

1月18日(日)
私はティファニーの
New Year Event
の中で演奏をした。

3階にはとても綺麗なラウンジがあり
正月を意識し
また笙や篳篥の「竹」を意識した
花が生けられている。
そしてショーケースの中にも
竹が使われその中に宝石が・・・。
竹取物語のようでした。

写真を撮らなかったのが
くれぐれも悔やまれます。

っていうか
写真どころか
通りすがりに
ちょこっと見るくらいだったので・・・。

12月に打ち合わせのため
この場所を訪れたときに
私はすっかりこのスペースが気に入ってしまった。

そしてスタッフの対応も。

私はここで
リサイタルと何ら変わらない
演奏をしたいと思った。

イベントの中の余興ではなく。

最近、あまりにも
「楽しい」
というものが軽くなってきている。
テレビを見ていても
ただでかい声を張り上げているだけの
お笑いタレントがもてはやされていたり
知っている曲を聴いて嬉しくて
それが「音を楽しむ」事になっていたり

ここでは、(いやここでなくても)
安易な方法でなく
真の芸術を提示し
楽しむとは何か?
演奏によって
訴える事をしたい。

それが、これからの私の
スタイルだと思っている。

打ち合わせ時
「みんなの知っている曲を演奏して欲しい」
という依頼を
私は即座に言葉を遮って拒否した。

お金をもらって仕事に行く以上
クライアントの要求は絶対なのだろうが。

それによりこの仕事が無くなろうと
次の仕事が無くなろう
あまり問題ではない。

いやむしろ
信義に反する事をしても
次に繋がらない事もあるのだから
やりたい事をするのが一番である。

それを相手がどうとるかは相手次第。

私は、
子供だましのような安易な
楽しみはできないと話した。

私自身、会社というものとは
無縁に生きてきているし
企業やブランドの事など
全く想像しようにも
及ばない。

ただ、この伝統ある
ティファニーが
ティファニーたる所以は
流行に流されたり
金儲けだけに走ったり
しなかったからではないかと。

ことばの足りない私ではあるが
十分に理解してもらえたようである。

そこで私は
話を聞く事にする。

「みんなの知っている曲とはたとえばどんな曲でしょう?」

「Moon River」

「ティファニーで朝食を」の中で使われ
店のテーマ曲となっていて
電話の保留音などにも使っているそうなのです。

理解してもらった後は
私が理解を示す番である。

ただメロディーを吹いて
この楽器でこんな事ができます
なんてことは決してしない。

笙の曲として編曲し
お客様の前に出せるような作品が出来たら演奏します。

と約束した。

1月18日(日)
13:00から
私のたどたどしい解説を交え
およそ30分の演奏を
計4回

演奏曲目は

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13:00/16:00(古典・笙&篳篥)
平調音取(ひょうじょうねとり) 
越殿楽(えてんらく)

壹越調音取(いちこつちょうねとり)
賀殿急(かてんのきゅう)

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14:30/17:30(笙ソロ)
壹越調調子(いちこつちょうちょうし)
真鍋尚之「呼吸III」
真鍋尚之編曲「Moon River」(アンコール)

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はてさて
私はこれほど緊張して演奏した事も少ない。
だいたいというものこのような
「イベントの余興」の演奏を真剣に聴く人など
せいぜい1~2割位のものではないだろうか?
それだからこそ敢えて聴衆にこびないプログラムを揃えた。

人と話をしているときに
自分が一生懸命話していても
相手を素通りしていると感ずる時がある。
逆に、うまく話せなくても
とても充実していると感じる時がある。

発した音が
向こうの壁まで通り過ぎていくのではなく
聴く人の聴こうという意志が
私の前に壁となって押し寄せてくる。

このような幸せな状況の中で
演奏できる事がどれだけあるだろうか?

その大きなうねりに
飲み込まれそうになりながら
必死にそれと戦い
ハードな4回の演奏は終わった。

とてもお聞き苦しい部分もありましたが・・・。

じっと、最初から最後まで聞き入る人
赤ちゃんは篳篥と笙の大音量にもかかわらず
お父さんの腕の中で寝てしまい
一番後ろの小学生くらいの子供たちは
遠くからずっとこちらに視線を送っていた。
そして、接待していたティファニーのスタッフも仕事を止め
そっと隅に立ちお客様を気遣いつつ演奏に耳を傾ける。

こういう聴衆が
演奏家を育てていくのかと。

そして、
またこういうすばらしいお客様を集めたのも
また
この店のスタッフなのである。

という訳で
「2」の結論に繋がりました・・・
めでたしめでたし。。。

追伸
最後に付け加えると
一瞬の気を抜く事もなく
これだけの聴衆を惹きつける
演奏をした人こそ
真鍋尚之なのである・・・

(;゜)ウッ!

さようなら 
(((((((・・;)サササッ

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