2007/04/06

ヴェルディの歌劇「運命の力」
ヴェルディの中でも私のもっとも好きなオペラである。

初めて聞いたのは中学生の頃。
NHKで放送したのを聞いた。

ジェームス・レヴァイン指揮のメトロポリタン・オペラ。
初めて見るオペラの物語のドラマティックな展開と
音楽に食い入るように見ていた記憶がある。
特に低く響く声のレオンタイン・プライスの歌がずっと
印象に残っていた。
そのDVDは最近手に入れた。

この放送ですっかりオペラの魅力にとりつかれた私は
「椿姫」やこの「運命の力」のレコードを買う。
どっちが先だったか・・・??

とにかくその当時はオペラの全曲版レコードはあまり多くなかったように思う。
秋葉原まで出かけ石丸電気で見つけたのがこのガルデルリ指揮の輸入盤。
デル・モナコの歌う盤は有名だったがこのガルデルリ盤は聞いたことのない
歌手ばかり。。。だった・・・。

しかし・・・
カップッチルリにライモンディ、アーロヨ。
そして何ともすごいのがカルロ・ベルゴンツィ!!

ヴェルディ円熟期のこの「運命の力」
「椿姫」「アイーダ」「リゴレット」「仮面舞踏会」「トロヴァトーレ」「オテロ」「ドン・カルロ」
数ある名作の中にやや埋もれてしまっている感のある「運命の力」
序曲だけが取りざたされたりする。

しかし私はこれこそが彼の最高傑作だと思う。
・・・というか好みの問題だが。。。

もっとも有名な「神よ平和を与えたまえ」をはじめとして
数々の素晴らしい歌がある

この重いストーリーの中で快活な
「私はペレーダ」や「ラタプラン」
オルガン・合唱と共に歌う「哀れみの聖母よ」
ドン・カルロとドン・アルヴァーロの二重唱
「この中に私の運命がある」Urna fatale del mio destino・・・
ってこれは歌ったことがある・・・
・・・っていうか・・・
・・・卒業演奏。。。
まぁそんなうたの数々だが
私の
もっとも好きなのが
!!
「天使のようなレオノーラ」
3幕始めクラリネットの美しい長い独奏の後に
歌われる何とも美しい歌。
しかし、これはテノール歌手にとってもっとも
困難な歌でもあるだろう。

とにかく高い音を美しくレガートに
あまり張り上げることもなく歌わなければいけない。

とにかく驚くべき完璧な歌唱をしているのが
カルロ・ベルゴンツィ!!
おそらく40代の一番脂の乗り切ったときの歌だと思う。
とにかくすごい!!
この「天使のようなレオノーラ」は
ベルゴンツィのオペラ・アリア集でも出ているが
この録音の方が数倍いいだろう。

この演奏で私はすっかりベルゴンツィの虜となってしまった。
その後、2度くらい?来日した。
一度はテレビで見ただけだったがすでに70近い声とは思えない
物凄いものだった。
高校生だったか・・・・?
特にチレアの「ありふれた話」
そして2度目は聴きにいった。
新宿文化センターでのリサイタル。
大学2年か3年位の頃。
とにかくその大きな体から
体ごと鳴ってくきて会場中に響き渡らせる
圧倒的な声の力とその表現。
レコードがすり切れるほど聞いた歌を
間近に生で聞けることに感激していた。

そのベルゴンツィの「運命の力」
久しぶりにレコードをかけてみた。
レコードの扱いなんてすっかり忘れていた。
数日前に買ったアナログ→デジタル変換器をつかって
パソコンに取り込んだのだが
久々に聴くアナログの音は何とも自然な柔らかな
いい音だった。
雑音は確かに多いのだが。
そしてデジタルに変換すると・・・

やっぱりレコードはレコードとして聴くのが一番。。。
ちょっと手間はかかるけどなぁ・・・

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