2008/05/23
いや!
出会えなかった

とにかく

必死になって
探し求めた

どこに行けば
会えるのか

恋い焦がれていた
何とかして
少しでも近付きたい
そんな時に目に飛び込んできたのが
季刊「邦楽」という雑誌(たしか)に
載っていた武蔵野楽器の広告。。。

藁にもすがる思いであった。
そもそも私が「日本」に目覚めたのは
中学生の頃であろうか?

何故かお城やらお寺やら五重塔やら・・・
美術の時間にはそんな絵やら彫刻ばかり。
日本の古くからの建築物に興味を持っていた。

音楽を始めたときに
興味を持ち聴きたいと思ったのは
「日本」である雅楽であった。

音楽であれ歴史的建築物であれ
似たような時代のものに興味を持つのは
不思議だ
20年ほど前、売っているCDといえば
「越殿楽三調」という宮内庁の演奏する
ものくらいであった。
そして、雅楽に対する資料や解説書なども
極めて少なかった。
学校の図書館やらヤマハへ通い雅楽について
調べようにも
東洋音楽選書なる極めて専門的な論文のような
本に雅楽があるのがせいぜいでそれも入手困難。
やっとの事で手に入れたり・・・
また「音楽事典」に雅楽のことや
笙のことがごく僅か触れられていたり
楽譜が載っていたりするところから
想像したり・・・。
とにかく私は日本人として
演奏したり作曲するものとして
雅楽を聴きたかった
知りたかった
演奏してみたかった。
私はCD「越殿楽三調」や
雅楽の数少ない解説本を頼りに
どんな音楽かを想像することしかできなかった。
そのCDも何度聴いたことか?
納蘇利がかなり印象的だった。
大太鼓使っていて・・・。
今日武蔵野楽器に行って
改めてこのことを思い出した
そこにこのCDも置いてあった。
当時は3千円以上したと思ったが
いまは2300円
武蔵野楽器の広告を見た
当時大学三年生だった私は
人見知りで電話を掛けるのが大の苦手
だった事など全く嘘のように
電話番号をメモして公衆電話へと走った。
笙という楽器を売っているのか?
いくら位するのか?
独学で勉強できるものなのか?
教則本みたいなものはあるのか?
それから親を拝み倒して
楽器を買ってもらい
独習用ビデオという
1万数千もするビデオも同時に買い
練習を始めるまでにさして時間はかからなかった。
そして風の便りに
小野雅楽会で習える事を知り
音楽年鑑だかなんかにたまたま
載っていた小野雅楽会の連絡先を
発見し、電話を掛け
わざわざ(学生にとっての)大金の
交通費を払って行っても対応してもらえず・・・
やっと入会できたのが大学4年の5月か6月。

内気で社交性のない私がとった行動として
今思えば信じられないほどの行動力であった。
今の時代、インターネットですぐに調べる事ができる。
なんと便利な事か?

そして、以前は鹿浜橋の先にあって
工場の二階で店舗とはとうてい言えないような
町工場の一室のような武蔵野楽器も
今や王子駅近くに立派に店を構える。
店は立派になって大きくなっても
当時の精神は変わっていないようである。

二十歳そこそこの社交性のない私が
初めて掛けた訳のわからない電話にも
親切に答えて教えてくれた。
西洋音楽では教本は当たり前のようにあるが
教本がないという事を聞いて
どうしたらいいか分からない私に
独習用ビデオがあり1万円位するけど
楽器1割引にするのでその分で買えますとか・・・。

始めてからも
調律の仕方教えても良いですよ~とか・・・。
(そんなん教えたら商売になんないんじゃないか?
とか思いましたが・・・。)
そんな事が
いろいろ思い出される一日でした。
その後もお世話になりっぱなしですが。。。
もし武蔵野楽器がなかったら
私は雅楽を始める事が出来なかった
と思うと、、、

私にできる数少ない事は
一生懸命上手くなる事と
雅楽のために何かする事くらいでしょうか


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