2010/06/22
大辞泉より
「駄目出し」
もと演劇用語。「駄目を出す」の名詞化。
欠点・弱点などを指摘する事。また、仕事などのやり直しを命じること。

私がこの言葉に初めて出会ったのは
大学生の頃、ある市民オペラの合唱として出演していた時だった。

「駄目出しするから集まって下さい」

初めて聞いたこの言葉に
抵抗感を覚えるものの

周りでは
「これから駄目出しで~す」
「駄目出し始まりますよ~」
「駄目出ししっかり聞いて~」

こんな人の人格を否定し、権力を振りかざしているだけの言葉を
よくもまぁ名詞にして使っているものだ。
日本の芸術界にはただの権力者が君臨し
封建社会のピラミッドの頂点に立った者が
上から駄目出しと称した命令を下しているだけの社会なのか?

他人と一緒に何かをすると言うことは
常に相手の尊厳を認めることである。
相手に駄目を出すなんて言うのはもってのほか
と私は思う。

「もっとこうしたら良くなる」
「こうやろう」
「もっとできるかもしれない」
そんな共同作業を
駄目出しなんて言葉で捉えられるのはあまりにもつまらない。

先日あるレッスンの場でもこの言葉に遭遇した。
生徒「駄目出しされて・・・どうのこうの云々」

レッスンって駄目出されるところなんでしょうかね??
先生は駄目なんて出して無くってもっとうまくなるためのアドバイスをしているのに。
アドバイス=駄目
何と受動的な世界なのだろう。

自分の意志で表現するのではなく
自分がやってきたことを先生が良いというか駄目というか

何でこんな言葉が当たり前のように使われる業界なのだろうか?

私は他人に対して駄目を出せるほど優れていないし
そんなことをして作り上げるものなどくだらないものだと思っている。
でも、私の言葉をダメ出しととる人もなかにはいるかも知れない。

まぁまぁ私はとにかくこの言葉が嫌いである。
業界用語として消え去って欲しいものである。

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