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2011/06/26
今日はベルリンの在独日本国大使館での

日本語スピーチコンテストでゲストとして
演奏をしてきました。
演奏は17時頃からだったのですが
13時半からのスピーチコンテストは
どうしても聞かなければいけないという
衝動に駆られて聞きに行ってきました。
なんという素晴らしいスピーチの数々だった事でしょう。
私は感動のあまりあふれ出る涙をこらえるのが必死でした。
(別に感動的な話をしている訳でもないのですが)
そもそも17時からの演奏ならば
そのずっと前に言ってスピーチなんぞを聞いてる暇はなく
それまでにしっかりと準備をするべきなのでしょうが、
そんな練習をしているよりも
このドイツの若者達の日本に対する思いを聞けば
きっとうまく演奏出来るはずだという
いや、それを聞かずに何故ここで演奏する意味があるのだろうと
そんな衝動に駆られていた。
衝動に駆られると書くと
「そうしなければいけない」という意味に聞こえてしまうが
どうしても聞きたかったのだ。
ベルリンフィルを聞きに行くように
本番の前の日でもしっかり飲みに行くように・・・
このスピーチコンテストは
ビッグ・エス インターナショナルというところが主催し
大使館とベルリン自由大学が共催
ルフトハンザやパナソニックなどが協賛して
開催しているそうです。
そもそもこの主催者というのも
大きな財団とか組織というようなものでは無く
個人がドイツと日本のために慈善事業のような形で
行っているらしい(すみませんみんな不確定情報。。。)
開会式での話を要約すると
自分はドイツを夢見てスピーチコンテストに何回も応募するも通らず、
夢はたたれるが、自分で船とシベリア鉄道を乗り継ぎ
ドイツに入り、ビザも取れずに転々とするが・・・
(要約できないので割愛)
その後(たぶん)、自分で道を切り拓き、成功し
今は自分が通れなかったスピーチコンテストのチャンスを
若者に与えたいと私財をなげうって(たぶん)このような活動を行い
香川県にドイツ館(のようなものを)つくりドイツと日本の
架け橋となる活動をしている(らしい)
すみません、ここでみなさん確認して下さい
さて、本選出場者は8名
18歳から28歳
といっても28歳がひとりで
あとは18歳ふたり
20歳
21歳ふたり
23歳ふたり
というとても若い人たちばかり。
1位は日本までの往復航空券ルフトハンザ提供
どうやってこれ一位決めるんだろうなぁと
みんなとても素晴らしかったから。
4分以内での発表
残り一分前から
30秒
終了と
札が出るのですが
途中で頭が真っ白になって
次が出てこなくなってしまった人も居て
メモを取りにいって見ながらの発表でしたが
時間が過ぎたから途中で止められる事もなく
とても好意的な審査会でした。
こんなところで減点作業してもしょうがないですもんね。
優勝者はふたり
誰がそんな高価な航空券代を払うか知りませんが
そこにルフトハンザの関係者はいないのに
ホントにふたり分賞として出せるのかよ~
とか思いましたけど
そんな事どうでも良いからふたりに賞を与える
といった感じの審査員達に拍手!
でも、私が一番印象に残って一番共感できたのは
その賞=最優秀賞には選ばれず優秀賞だった18歳の女性の文章
ドイツ人である自分が嫌で
日本人になりたい
変わり者でいじめられていたけれど
日本に来れば私はもっと自然に生きられる
そう信じて日本語を勉強し日本の事を想い・・・
彼女は私たちに問いかけました
スピーチをするのではなく
「違うのは文化や国であり人である事には変わりないですよね?」
もう一回
「違うのは文化や国であり人である事には変わりないですよね?」
私はその場で叫びたかった
「はい、その通り、あなたは正しい」
彼女はスピーチするのではなく
我々に訴えかけていた
でも言えなかった
どんなうまい他の人たちよりも
強い意志を感じた
しかし、同時に彼女が選ばれない事もわかっていた。
それについては説明できない
でも、きっと彼女は
自分が自分らしく生きられる場所を見つけるでしょう。
どんなに誠意を持って生きていたとしても
それを疎ましく思う人もいれば
ちゃんと理解してくれる人もいる
それはその人自身の問題ではなく
それを理解する人が周りに多いか少ないかの違いに過ぎない。
何も本人に責任はないのに
関わる人によって
わがままな人になってしまったり
とても親切な人になったりする。
全く同じ事をしていたとしても。
私も日本では息苦しいところが沢山あったが
ここドイツに来て自然に生きる事が出来る。
ドイツの若者達が
日本に憧れているもの
私が20年以上に渡って
憧れ続けていたドイツ
いつの間にかずいぶん年取ってしまいましたが
まだまだ気持ちは20歳の時と変わっていません。
精一杯の演奏をしましたがどうだったのでしょう?
私は演奏家ではないので(自分の中での良い訳)
どこでもいい演奏が出来る訳ではありません。
でも今日はとても気持ちよかった

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