2009/01/20
だいたい
私のように
特にブランド志向もなく
お金もない人種にとって

ニューヨークの5番街あたりを
歩いていても
おー
ティファニーだ

カルティエだ

とか言いながら
せいぜい外側から
写真を撮るくらいなもので・・・

たとえ中に入ったとしても
こそこそ
そわそわ
落ち着かず
挙動不審になるのだから
その重い扉を
こじ開ける気も起きず
いつかお金持ちになり
分相応になったら
さらりと買い物でもしてやると
野望を抱きながら
遠くから眺めているのが
関の山だ。

銀座の二丁目の交差点あたりから
ぐるりと四方を見渡すと
これまたスゴイ光景が飛び込んでくる。

ヴィトンがあり
シャネルがあり
カルティエがあり
ティファニーがある。

この銀座の通りを歩いていると
ニューヨークの5番街が
「ニューヨーク銀座商店街」
に見えてきて仕方ない。
この交差点はすごいなぁ

とか

みんなインパクトあるなぁ

とか

ティファニーは意外と目立たないなぁ

とか

せっかく綺麗な建物なのに
ビルの横の看板邪魔だなぁ

とか

いや、意外とこのギラギラしている中に
しっとりとたたずむティファニーは
逆の意味で目立っている。
みんなが騒がしいときに
それに負けないように
でかい声で喋るのも
一つの手だが
逆に小さい声でささやくと
周りが
何だ?
と耳を傾けることもある。

とか何とか・・・

ぶつぶつ言いながら

さすがに
ここで建物の写真を
撮っている自分の姿を
カルティエの中からの目線で見たとき
リュックを背負って
カメラを首から提げた
おのぼりさんに見えてしまい
カメラさえ取り出すことも出来ずに
ここには一枚の写真もない。
そんな私が
いざ、ティファニーへと
乗り込むことになったのは
暮れも押し迫った12月の
冷たい雨の降る日。

なるべく動揺を隠し
キョロキョロしないようにしながら
入り口はどこかと
平静を装いながら

ためらいもなく
中へと入っていく
人たちを横目に
何事もなかったかのように
私もそれに続く・・・。

できれば裏口がよかったなぁ
などとつぶやきながら
コートを脱ぎ
傘をたたむ。

その余計な行動こそが
人の流れを遮り
田舎もん丸出しなのだが・・・。

つづく・・・

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