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笙で世界の名曲を

楽典の基礎知識と五線譜演奏法

改訂新版2026年6月10日発売予定

214ページ
定価5,500円

2020年発売の『笙で世界の名曲を』が新しくなりました。
楽典の基礎を学びながら、簡単な練習曲を演奏し、五線譜演奏の基礎を身につけていきます。
名曲集も20曲を新たに加え、55曲となりました。

 

楽典

音符の名称から長さ、休符の解説。

 

拍子についての解説

簡単なリズム練習

音階の解説

音階の練習

音律や調律の解説

和音の練習

 

 

 

 

 

新版の作成にあたり

 

2020年12月に刊行した『笙で世界の名曲を』は、多くの方々に手に取っていただいたものの、入手できない状態になって久しい。刊行から今日に至るまで、私は数多くのレッスンを通して笙の指導に携わってきたが、その中で痛感したのは、雅楽の演奏法と五線譜の間の隔たりが、想像をはるかに超えて大きいという事実であった。

その問題を解決すべく、ひとつずつ楽典の基礎知識や細かい基礎練習などを説明しながら行なってきた。しかしながらその量は膨大で簡単に解決できる問題ではなく、雅楽を演奏する人達に沿った体系的なカリキュラムを作る必要があると強く感じ続けていた。

まず楽典の基本的な知識を身につける事は必要だが、楽典の本を読むというのは五線譜を演奏した経験がない場合ハードルが高すぎるであろう。そこで簡単なリズム練習や音階練習、和音の練習を進めながら五線上の音程と笙の竹=音を一致させることが出来るような練習を考え出した。これは後に曲を演奏した時に押さえる和音をあたかも合竹を押さえるように一瞬でできる訓練となるだろう。

楽典の簡単な知識を習いながら音階と和音の練習を進めていくが、初級・中級・上級と分けている。練習曲ばかり演奏していても少々退屈になると思うので、曲を演奏しながら必要な練習も進めていくという手順が良いであろう。

改訂新版の作成にあたり、新たに下記の20曲を新たに加え、55曲になりました。

《メリーさんの羊》《ロンドン橋》《桃太郎》《ふるさと》《ふじの山》《見よ勇者は帰る》《オンブラマイフ》《亡き王女のためのパヴァーヌ》《故郷の空》《マイ・ボニー》《アマリリス》《星かげさやかに》《ローレライ》《かっこう》《静かな湖畔》《おおブレネリ》《もみの木》《峠の我が家》《雪山讃歌》《聖者の行進》

本書に掲載の曲は音楽配信ストアにて配信中。

Spotify / Apple Music / iTunes Store / Amazon Music Unlimited / Amazonデジタルミュージックストア / Prime Music / AWA /楽天MUSIC / YouTube Music / TikTok / Facebook・Instagramミュージックスタンプ / QQ Music/

他で聞くことができます。

https://sho-manabe.net/subscription/

 

2026年6月

 

はじめに

笙。この魅力的な響きを醸し出す楽器は、いったん雅楽の演奏が始まると一瞬にして幽玄の世界へと導く。雅楽の演奏により笙は楽器としての魅力を最大限に引き出す。楽器単体としてではなく、雅楽という音楽と長い伝統が存在価値を決定付けているとも言えるだろう。

十種に集約された「合竹」と呼ばれる伝統的和音。音取や調子などにみられる「一竹吹」などの演奏法もミニマム化され、余分な贅肉を削ぎ落とし、研ぎ澄まされ、洗練されている。

雅楽を演奏し、その音楽性を深め、個人の技量を磨いていくには長い年月が必要な事は周知の事実である。笙は雅楽という音楽と不可分であり、伝統の中でこそ最大の魅力を発揮する。

しかし一方で雅楽の世界を少し離れて、この楽器の違う側面を垣間見たい人も多くいるだろう。

笙は指遣いや音域・音程など様々な制約があるとは言え、A-durやD-dur, G-durなどの音階が揃っているので様々なメロディーや西洋音楽の和音を奏でる事は物理的には可能である。だが長年雅楽という音楽と共に歩んできた伝統を背負う楽器にとって、安易な演奏は雅楽の魅力を壊す事になりかねない。

三和音を中心に構成される西洋音楽と、完全5度の純正律で調律された笙は調律方法が違い、特に笙の長3度は調和しない。さらに編曲というのはただ単に旋律を他の楽器に移すだけのものではない。笙でこの旋律が吹けると言うことに留まったのでは、楽器の魅力を引き出す事はできない。そもそも何故雅楽以外の曲を笙で演奏する必要があるのか?これらの命題が解決しない限り私は安易によく知られた曲を演奏したり編曲をしたくないと、依頼があっても殆んど拒み続けていた。

私の音楽家としての活動は雅楽の演奏の他に、クラシック音楽の流れをくむ前衛音楽の「現代音楽」の作曲、演奏である。1980年代以降、日本のみならず、世界の作曲家たちが新しい作品を作り続け、様々な試みをおこなっている。

そんな活動に加わり独自の方法で30年に渡り新しい音楽を創作し、笙の楽器としての可能性を追求し続けてきた。いまや笙は独奏楽器としての地位を完全に築き上げ、超絶技巧の作品まで演奏できる楽器として新たな歩みを始めている

編曲するという事は既存の素材を再構築し、新たな音楽として再創造する行為である。素材から作る作曲と何ら変わりはない。作曲・演奏・雅楽それぞれの領域で活動してきたからこそ笙の魅力を充分に引き出した編曲も可能となると感じている。

明治時代以降、西洋音楽の影響を受けて作曲された唱歌や童謡は日本的情緒を持ちながら西洋音楽の理論を用いた和声進行が使われている。一部の曲は西洋音楽の和声進行を崩し、雅楽的な響きを用いたものもある。

「現代音楽」は一般的に非常に馴染みが薄い。雅楽を演奏する人にとって新しい奏法への取り組みや現代音楽の演奏への敷居は非常に高いであろう。

「雅楽」と「現代音楽」。その間を埋めるのが編曲作品の演奏になりうる。

雅楽から一歩抜け出し、新しい世界を体験する事によって、雅楽のすばらしさを再認識し、多くの発見がある事と思う。

本書が、雅楽と現代音楽の橋渡しとなり、笙という楽器の新たな魅力を感じる手助けとなれば幸いである。

2020年12月

 

 

 

 

 

 

 

 


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2020年12月22日発売

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