2008/12/20

ロック嫌いな私が
唯一ロックを聴く機会がある。

いや
そもそも
ロック嫌いと言っては
語弊がある。

小学生高学年から
中学生にかけて
周りは
アイドルやら
ロック一色に染まる。

松田聖子がどうの
おにゃんこ?がどうの・・・
誰がどうで彼がこう・・・

バンドがどうで
ギターこう・・・

猫も杓子も
みんなこんな話題で持ちきり。

私はこうはならないぞと
決めた・・・!?

“クラシック以外は聴かない・・・”

まぁ
つまりは
嫌いとかじゃなくって
これに決めたってだけなんだけど。

だから決して嫌いな訳ではない。

・・・
というか・・・

・・・
やはり大っ嫌いだった。。。

ひとつ違いの
兄の部屋から流れてくる
大音響のロックの音は許し難く
苦痛でしかなかった。

それに逆らい
私は大音響の
オーケストラを響かせた

さて、
そんな私が
何故好きこのんでロックを聴きに行くのか?

あれはもう何年前だろうか?

アメリカがイラクを攻撃した時

音楽家たちが
こぞって反戦を訴えた。

クラシックもロックも邦楽も
関係なく
一緒の舞台で
反戦のためのコンサートをした。

渋谷のオーチャードホール。

オーケストラや
ロックや
ポピュラー音楽やら
そして邦楽。
私は
ある人の推薦により
出演することが出来た。

しかも他は団体での演奏なのに
私はソロ。

あまりにも思い入れの多い
コンサートであった。

私は
「呼吸」を
2000人近くの前で
たった一人で演奏した。

リハーサルの時から
舞台裏で楽器を温める
私の周りを
ふらふらと徘徊する
金髪のにいちゃんがいた。

ヤツは
ずっとこちらを伺っているのだが
私は恐ろしいので
なるべく知らんぷりをして
・・・
(ロック嫌いだったもんで
この野郎・・・とか思ってました・・・^_^;)

で、その兄ちゃんは話しかけてきました。
「それ温めるんですか??」

・・・
「あっ!はいっ!!」
「温めないと音ならなくなっちゃうんです」

・・・
そのまま
一心に温め・・・
てるふりして
かわす・・・。。。

その後何か話しかけたさそうな
雰囲気でしたが
(ロック嫌いな私としては)
シカト。。。

そして
そんなことも忘れ
2000人の前で
独奏・・・
ふらふらになりながら
演奏を終え
ホッと
したところに
・・・

また
ヤツが現れたのです

「すばらしかった!!」

ヤツは舞台袖に
かじり付いて
私の演奏を聴いて
くれていたのです。

こんな事は当然のことだと思うのですが
私は同じ日に
同じ舞台に上がる
演奏家の演奏は
出来る限り聴きたいと思います。

当然私はその日の
他の演奏家の演奏を
自分の準備や片付けで
しょうがない部分はのぞいて
すべて聴きました。
リハーサルの段階から
本番聴けない人もいますから。

しかし私の演奏を聴いてくれた人が
どれだけいるでしょう?

ヤツは
リハーサルの段階から
本番まで
しっかり聴いてくれたのです。

多分ヤツ以外に
本番前に舞台袖から
そんな風にして
他人の演奏を
聴こうとした人はいないと思う。

そして
私の演奏を
ちゃんと聴いてくれて
話しかけてくれたのが
ものすごくわかりました。

そして
私も当然ヤツの演奏を
しっかり舞台袖で聴きました。

今度は
私の方から話しかけました。

それが
SUGIZOとの
出会いです。

すぐに
今度一緒に、
という事になり
数ヶ月後に
京都での演奏を一緒にしました。

そこで多くのことを話しました。

音楽について
現代音楽について

そして私のロック嫌いについて・・・

彼は即座に
それはわかると
答えました。
この時のことは特に印象に残っています。

そう、
SUGIZOはとても優秀な
トランペット吹きと
チェロ弾きの
両親の元に生まれたのです。

そして小さい頃から
ヴァイオリンを習い・・・。

そう!
私のロック嫌いは
ロック精神だと・・・!??

そんなこんなで
京都の夜は
ふけて・・・
じゃなくて
明けました・・・!???

私がSUGIZOを
聴きたいと思うのは
クラシックと
ロックと
全く表現の手段が違うが
何か
どっか
根っこで
つながっているような
気がするからです。

このやろー
でっかい音出せば
それでごまかしてるだけやろ!

とかも
思いますが

でっかい音出りゃあ
そりゃ
テンションも上がるだろう

こっちは
音大きくなくっても

それ以上
上に上がってくための
テンション作ってんじゃい

とか
思うけど・・・

どっか
つながるものがあると

まぁ
SUGIZOといえば
スーパースターなのかも知れないけど

半年前の流行が
吐き捨てられていく
この現代。

そんなことにおごることなく
何かを求めていく
ひたむきな姿に
今日は出会えて

いろんな人に
感謝しつつ

それでこそ
この先の世界があるのかと。

格好良かった
SUGIZOはそこにいたけど
私の知っている
普通のにいちゃんも
今日は舞台の上でみれた。

終わったあと
会いたかったけれども
敢えて会場をあとにした。

なんだか
ちょっと
嬉しかった

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