2007/05/18

今日は久しぶりに朝から時間があるので
ゆっくりと音楽を聴いている。
カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルの
ベートーヴェン交響曲第7番。

貸していたCDがずっと返ってこないので
DATに録音したのを久しぶりに聴いた。
かなりじっくりと・・・。

とにかくこの演奏を聴き始めると
もう何もできなくなってしまう。
何が起こるかわからないから
一瞬も気を抜くことができない。
一音も聞き逃すことなく
聴いていたいという衝動に駆られてくる。
とにかくこのクライバーの音楽に引き込んでいく
エネルギーには圧倒される。
ゆるんだかと思うと
ぐわーっと持って行くし
がーっと熱くなったと思った瞬間に
すっとゆるんだり
変幻自在でみるみるうちに目が回ってくる@@;

とにかく(書くの何度目か・・・)
中学時代にNHKで放送したバイエルン放送響との
日本公演が脳裏に焼き付いて離れない。
この他にアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団とのDVDと
このウィーン・フィルとのCDがあるが
私の中ではたった一度だけテレビで観たバイエルンとの
演奏が最高の演奏である。
NHKでDVD発売してくれないかなぁ・・・。

私はクライバーはバイエルンとの組み合わせの方が好きだ。
おそらくクライバーはウィーン・フィルの演奏の方が
自信の演奏として満足しているであろうと思う。
数少ない録音の中でもやはりウィーン・フィルが一番
多い(たぶん)事からも想像に難くない。
そしてウィーン・フィルと残された映像はとにかくリラックスして
自由自在に操る姿が印象的だ。
これはウィーン・フィルがとても優れたオーケストラであり
相性がとてもよいことの証であろう。
クライバーは苦労することなく自分の出したい音を
紡ぎ出しているように見える。
そしてウィーンのムジークフェラインザールは
それほど大きく過ぎることないために過度にオーケストラを
鳴らす必要もないのだろう。
そこからこの力の抜けた熱い音楽が生まれてくるものと思う。

しかしバイエルンとの演奏は全く違う。
‘96年に録画された映像は彼の死語まで
発売されなかった。(たぶん・・・)
明らかに記録ではなく映像として売り出すために
作られたものであり、これを封印した理由もわからなくはない。
とにかく激しくこんなクライバーを観たことがない。
(ってあんまり映像もないが・・・)
90年代になってほとんど指揮をすることもなかったクライバー。
‘92年のウィーン・フィルのニューイヤーコンサートでは
すっかり衰えた姿が否めなかったのがこんな演奏をしていたのだと
驚きであった。
さっき「苦労することなく」と書いたが
これが彼のほんとうの姿なのであろう。

私は中学生の時のこのクライバーの衝撃的な演奏以来
あえて彼の演奏を聴かずに避けてきた。
その時の感覚を他の演奏を聴くことによって
薄めてしまいたくなかったからだ。
クライバーの指揮で持っていたのは
「Traviata」と「Tristan」くらい。

彼の死んだ2004年以来、
沢山のCDやDVDを買いあさった。
(あんまりないが・・・)
その演奏を聴くと随所に
「あの時」を思い出させてくれるものがある。

しかし「あの」映像がどこかから出てきた時に
それを見れる勇気があるだろうか・・・?

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