Category:
2009/06/12
ブラームス;コンプリート・エディション(46CD)

そもそもこのセットを買おうと思ったのは
ブラームスのピアノ協奏曲第2番
@ポリーニが含まれているからだ。

ポリーニは2回この曲を録音しているが
私が欲しいのは1回目の’76年の録音。

この76年の録音は単独では売っていなく
1番とセットでしか何故か無い。

どうせダブるならこのセットで買ってしまえ!
と今回購入を決意。

46枚で8,457円!
信じられない値段です。

安いからと言って
あなどってはいけません。。。

交響曲はカラヤン指揮
管弦楽&協奏曲は
アバドにカラヤン。

ピアノは
ウゴルスキやケンプ

カール・ライスターのクラリネットに

ジェシー・ノーマンと
フィッシャー=ディースカウの歌
グラモフォンの超一流の布陣でこの価格です。
さてさて、
ブラームスのピアノ協奏曲第2番

クラウディオ・アバド指揮
ウィーン・フィル
出だしのホルンのなんと美しいことか!

ウィーン・ムジークフェラインの
豊かな響きに溶け込むように
第一楽章は始まる。

激しくもあるのだが
どこか常に甘美な
感情を抑えたような
ロマンチックな息の長い音楽を
歌い上げていく。

これは、続く第二楽章への序奏のようにも
聞こえる。

第二楽章:スケルツォ
トリオ形式のこの楽章は
テーマが繰り返されるごとに
テンションは高まっていく。
特にトリオ(中間部)に向かうところと
二楽章の一番最後に至っては
よくぞここまでやってくれた!!
というくらいポリーニらしい
激しく前に突き進んでいく姿が見える。
それに応えるアバド=ウィーン・フィルも
崩壊寸前まで突っ走る。
何か第一楽章でためたエネルギーを
ここで一気に放出しているかのようにも
思える。
そして、ブラームスの作品の中でも
群を抜いて美しいと私が思う第三楽章。
嵐のあとの美しい朝日のような。
とにかくウィーン・フィルならではの
弦の美しさと、そこに乗るソリストたちの
美しい音色たち。
そして、一音一音大切に輝く宝石のような
音をちりばめていくポリーニのピアノ。

夢から覚めたあとのような爽やかな第四楽章。
一緒に暴れ回った第二楽章とは対照的に、
ピアノが感情的になっても
オーケストラは爽やかに駆け抜ける、
この両者のバランスが何とも心地良い。

アバド=ポリーニの組み合わせは
この2番の方が断然良いように思える。
「イタリア的」などとの表現は絶対避けたいところだが、
この横に延びていく息の長い音楽と
感情を入れすぎてもどこか後を引かない
ドロドロとしていない・・・
そんな二人の演奏はむしろ
この曲には適していると思った。

私はこのブラームスのピアノ協奏曲第2番は
ホロヴィッツ=トスカニーニ
と言う往年の名演(音質はかなり悪い)と
リヒテル=ロリン・マゼールの演奏で持っている。

そのどれとも違った、
また1番とも対照的な
アバドとポリーニの最良の組み合わせとも思える
この演奏は、また私の中で
何度も繰り返し聴く一枚になるだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください