このような状況になって本番中に音が鳴らなくなったのなんて
2001年のリサイタル以来21年ぶり。
その時は一曲終われば下がれるし休憩に直せるし。
でも今回は最後まで直せない。
こんな事が起こるのは次は20年後だと他の人は言って慰めてくれた。
もう悪い事は起きたからこれからは
楽しい事が連続で起きる
はず
そうなる
はず
絶対そうだ
と思い
ホテルを後に駅へ向かった
土砂降り
傘さしてもスーツケースとふたつの鞄はずぶ濡れ
まぁいいさ、この雨が上がれば本格的な春が来る
基本的に超ネガティブな私はヨーロッパにいる時は
とてもポジティブ
この後起こる事など知りもしなかった・・・
オルレアンの駅に到着
既に電車はいるので乗り込む。
ここは入り口が一番後ろで
降りる時は一番前が出口に近い
だから後ろに乗れば混むし
前は降りることを考える人で混む。
真ん中よりちょい前が良いだろう
もうすっかり知っている笑笑
順調に荷物を積み込み席に座り発車
一駅すぐ次にあるんだった。
ここで大量に乗ってきて隣も埋まった。
でも大丈夫、せいぜい１時間
そしてパリに着きました。
終点なので焦る事はない。
にゃーにゃー泣いてたねこの籠を持つ紳士に道を譲ってもらい
にこやかに挨拶をして降りる。
スーツケースを出す
そして難関の電車を降りる階段。
25キロくらいあるスーツケースと
楽器3管を背負い、パソコンなどの入っている重たいカバンを肩に掛け
颯爽と
電車の階段を降りる
一段
えいっ
えっ？
えーーー
えーーーーーーー
地面がない
飛んだ
スーツケースが
飛ぶ
スーツケースに身体が引かれる
スーツケース強打
左足強打
顔が地面にみるみる近づいていく
手をついた
ギリギリセーフ
背中から楽器が飛んでくる
これも押さえた
周りの人のどよめきごえ
大丈夫か大丈夫か
私は頭からだいぶした
そう
この一段降りたところから地面へと頭から飛び込んだのだ
強くついた右手にはiPhoneを持っていた。
ケースに入っていたから無事で
それがクッションとなって手を怪我することもなかった。
恥ずかしかったのですぐ起き上がったが
痛かった
かなり
痛かった
しばらくその場に立ちすくんだ。
憎き電車のステップの写真を撮って立ち去る事にした。
ホテルまではメトロを乗り継いで20分ほど。
でももう階段とか登る気力がない。
駅を出たところで雨が降っていて気がついた。
そうだ、電車の中に傘を忘れた。
戻れば500m
まだ取り返せる。
でも、もう戻る気力はない。
落ち込んだ私はメトロの階段を登る気力が無い
階段を見上げていると女性が手伝おうかって手伝ってくれた。
そして乗り換え。階段を登って降りる
そして到着駅。階段を登って改札を出るとなんとエスカレーターが
よし、ついに私にも運が回ってきたぞと気を取り直す。
（この後起こる事など知りもしなかった・・・2回目）
そして地図を見ると・・・上り坂
スーツケースでも上り坂はきつい。
でも3分
最後の力を振り絞りホテルの角まで登り切った！
そして見たものは・・・
約3階分の下りの階段。
なんで登った分だけ階段降りるんだよ
平らな道案内しろ
グーーーーーーぐるっ
そんなたどり着いた先のホテルはとても良いホテルでした。
13:30頃到着
音楽家ですかと聞かれとても丁寧に招き入れてくれた。
部屋の準備ができてるか確認してもらって
後1時間くらいかかるとの事でエスプレッソとお菓子出してくれた。
今度こそは運が巡ってきたぞっ
と気を取り直す（2回目）
1時間ほど待ち部屋に
なんか無駄に広い笑
今度こそ本当の幸運だ！
（この後起こる事など知りもしなかった・・・3回目）
もうここで悪い流れは断ち切ろう
ここでのミッションはコインランドリーを探すことと
近くのスーパーで水を買うこと
しばらく休んだ後、雨に打たれながら出かける
めちゃ濡れる
ずぶ濡れ
滝行かよ
傘はさっき落ちた電車の中。。。
あるはずのコインランドリーがない・・・
スーパーはあった。
良いスーパーがあったから良かった事にしよう
（この後起こる事など知りもしなかった・・・4回目）
なんとかこの流れを断ち切るのだ
よし美味しいものを食べよう
隣と向かいにあるレストランどっちも良い感じ
よし肉を食べるぞ
メニューも見てフランス語検索して
よし決めた！
めちゃ良い感じ
ビール美味しい。
店員も良い感じ
あれーGoogleマップにあった肉のグリル（19ユーロ）ない
でも違う名前である。
高い29ユーロ
もういいや、今日会った悪いことを全て良い事に変えるのだ！
めちゃ良い
美味しい
幸せだ
これで
今日の不幸を全て帳消しにできる
幸せだ
幸せな1日であった
良かった
（この後起こる事など知りもしなかった・・・5回目）
続く
