2020/04/19

編曲というのは

ただ単に旋律を

他の楽器に移す

だけのものではないと思う。

 

素材がそこにすでにあるだけで

作曲と同じ作業が必要になる

 

よく知られた曲を笙のために編曲するという事

これは笙にはA-durやD-dur, G-durなどの音階が揃っているので

旋律自体を奏でる事は可能である。

 

しかし、何故それを笙で演奏する必要があるのか?

その課題が解決しない限り

私は安易に編曲をしたくないと、

依頼があっても殆んど拒み続けていた。

 

その中で最初に作ったのは

パッヘルベルの《カノン》

笙の旋律の作り方と、この楽器でしか出せない響きにこだわり

編曲した。

その後《ほたるの光》や《大きな古時計》も演奏したが

これはあえて楽譜に書かず、即興的であるが、

充分に笙の奏法、雅楽における奏法を踏襲して作った。

そして

モーツアルトの《アヴェ・ヴェルム・コルプス》

これはもう完全なる上手く行った「編曲」

この2曲以外は楽譜に書いていない。

(合奏の中に加わった作品の楽譜はあるが)

 

そんな禁断の領域で

できれば脚を踏み入れたくなかったのだが

3月からのコロナウィルスの影響で

ずっと家にいる生活が続き

また、3月でひとつ区切りをつけた仕事の事もあり

新しい事をやってみようかと

編曲を始めたのである。

やるんだったら徹底的に

そう

中途半端にできないたちなのです。

もう、文部省唱歌全部の勢いで

(でも著作権のあるのはやらないでおこうかな)

 

やってみると大抵の曲は演奏できる。

しかも良い感じで。

どうしても調性はD, G, A-durに限られてしまうのだが。

でも案外F-durでできるのもあったり。

短調はなかなか難しい。

上手く日本音階をクラスターにしてみたり

面白い編曲もできる。

 

そんな時、ひょんな事からフォスターを思い立った。

《夢路より》は音がないからどうやっても無理なんだけど

(いや、オクターヴを上がったり下がったりすれば可能かも知れないけど、

これは1番やりたくない、ただ音を当てはめただけになってしまう)

大抵の曲は上手くいく

 

フォスターは小学生から中学生にかけて

散々レコードで聴いて

そこに書いていた楽譜で音符の勉強したんだよなぁ

 

全16曲あっという間にできました

 

童謡・文部省唱歌も20曲以上

 

笙が1番良く響いて

そして笙らしいメロディ

 

そんな編曲を続けています。

4月8日から毎日1日1曲

YouTubeにアップロード

 

編曲集の楽譜が出版できると良いな

 

ここで、五線の演奏方法を身につけて

いずれ新しい作品を演奏できるようになる人が増えてくれば

 

でも、危惧しているのは

雅楽ができないのに

ちゃらちゃら五線譜ばかり吹いている

そういうの見たくないから

ここを避けて通っていたんだよなぁ

 

やはり、笙を演奏する人は

ちゃんと雅楽のすばらしさを分かっていてほしい。

 

また違うアプローチの仕方なのかも知れないけど

ちょっとやってみようかなと

思い腰をあげたのでした

Arrange/Bearbeitung/編曲

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