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Invention IV

Sho, 笙

Duration/Dauer 20:00

First Performance/Uraufführung/初演

楽譜;全8ページ 2,500円+税
Invention IV
8 Page, 2,500JPY+Tax

笙独奏のための呼吸シリーズ(I〜V。1992〜2006)。雅楽や伝統。それらに内包されている呼吸をテーマとしている。伝統を意識しそこからの脱却や超越をテーマとしている。

それに対しInventionは楽器の時代背景や音楽から距離を置き、楽器の性能や運指・テクニックをどこまで高めるかをコンセプトとして書き進めている独奏楽器のためのシリーズである。

I;(西洋の)大太鼓(Gran Cassa)、II;Viola da Gamba、III;チェンバロのための作品。

笙という楽器は非常に特殊である。円状に並んだ竹は1竹につき1音。配列は音高通りではなく不規則に並ぶ。音の進行や和音など非常に制約が多い。たった17竹(音)しかなく、限られた音の組み合わせの中からいかに多様な音楽を作り上げるかが作曲家に課せられる大きな課題である

Invention IVは7曲からなる組曲として作曲した。

1〜4は音から導き出される音型・和音。
5〜7は指の動きから導き出される音型に焦点を当てている。
全ての指の音型を書きだした。

 

真鍋尚之 《Invention IV》〜笙のための

1, 短2度=半音の響き・動き。
半音の積み重ね和音。半音階。

上行系下降系、3・4・5音の半音の進行など

2, 長2度響き・動き。
全音の積み重ね和音。全音音階・長音階・短音階。
A-Dur →h-moll→D-dur→G-dur→fis-moll→d-moll→F-dur→a-moll→C-dur→E-dur→e-moll→f-moll→Fis-dur→g-moll→As-dur→as-moll→b-moll→B-dur

3, 短3度、長3度響き・動き。
短3度の積み重ね=減三和音・減七和音。→増4度・減5度・減7度
長3度の積み重ね=増三和音。→増5度
短3度+長3度=短三和音。長3度+短3度=長三和音。→完全4度・完全5度。
属七和音。長七和音。短七和音。
(短6度、長6度、短7度・・・長13度まで笙では演奏可能であるが、全ての音程を曲中に入れるとあまりにも長大となるため、転回音程となるこれらは和音の中に内包されているとして省く)
長・短3度の動き。A-dur, d-moll, F-dur, a,moll, C-dur

4, 合竹
雅楽で用いられる10種類の合竹(6音または5音からなる和音)。低音から高音への加音・減音。これらの和音を笙奏者は瞬時に押さえることができるが、指づかいで覚えているため、1音1音低音から鳴らすことは容易ではない。

5, 右手
右手の運指は竹の外側だけでなく内側に人差し指をいれ、人差し指の背側でも押さえるなどやや特殊である。
使う指は親指・人差し指・薬指(人によっては中指を使う)
これらの指を12,124,21,214,412,421と全ての組み合わせと音を書きだし作曲。
同じ指の動きでも124, 412, 241で違う音型が生まれる。
12, 1214, 21, 2421, 42, 4142, 124, 24, 21, 41, 412, 124, 14, 142, 421, 142, 214, 24,42 21

2(人差し指)1(親指)のみの指づかいでもこれだけの音型が作れる。

6, 左手
左手は竹の外側の同一面状にある。しかし平面ではなく円状になっており、さらに人差し指と中指はやや高い位置に指穴があり固定されている。
使う指は親指・人差し指・中指・薬指
これらの指を
2音(12,13,14,21,23,24・・・)
3音(123,124,132,134,142,143,213・・・)
4音(1234,1243,1324,1342・・・)と全ての組み合わせと音を書きだし作曲。

321,213,132は同じ動きだが始まる場所が違う。
この動きでもこの様な音型が導き出される

7, 両手

右手と左手を交互に。L1-R1、L1-R2、L1-R4、L2-R1・・・と全ての組み合わせと音を書きだし作曲。

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