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2007/09/11

今日は中学校に教えに行きました。
今回で3度目になります。

ここの中学校はとても熱心な先生がいて
中学生が雅楽(越殿楽)を演奏できるように
指導しています。

とにかく先生の情熱とそれを受けて
必死に取り組む生徒達の姿には感激です。

わずか数ヶ月の間に各楽器を習得し
人前で演奏しようと言うのです。

教育基本法が改正され
近年、日本の伝統音楽を
教育の場に持ち込むのが必修とされました。

しかし「邦楽」とひとくくりにしたところで
それはまったくジャンルも時代も違う音楽の
総称でしかないのです。

雅楽と能楽はまったく接点はありませんし
長唄と三曲もまったく他ジャンルなのです。

つまりまったく持って外国の音楽と変わらない程
ここには大きな垣根があります。

それを「邦楽」とひとくくりにしていること自体が
問題ではあるのですが・・・。

さて、その「邦楽」の中でも
かなりマイナーな雅楽を選んで下さったこの中学校
・・・というかこの先生。。。
とにかくこの情熱たるや凄いものを感じます。

雅楽には
管楽器(笙・篳篥・横笛)
絃楽器(楽琵琶・楽箏)
打楽器(鞨鼓・楽太鼓・鉦鼓)
がありますがこれらすべてを教えるのです。。。

我々が行くのは月に一回程度。

自分で理解しさらにそれを中学生に
解るような資料を作って教える。。。
この情熱にはただただ脱帽です。

そんな下地が出来た中で我々は教えに行きます。

ただ私はそのような血のにじむような努力は
無視します・・・

今の時代、情報が溢れ
どのようにすれば効率的に短期間に
習得できるか・・・
そんな方法はいくらでも見つけることができます。

しかし、それは案外遠回りであったりもするのです。

千年以上もの歴史のあるこの雅楽の
古来からの教え方
それは千年もの間に培って来たものなのだから
今どんな画期的な方法が編み出されたとしても
それに勝るものはないはずだと・・・
最近考えるようになってきました。

だから半年で舞台に立つために・・・
その為に付け焼き刃でも何とかしてくれ

という依頼でも

これから一生かけて雅楽を習いたい
と言う人でも
決して安易な方法をとらない
と言うのが私の信念なのです。

今回は特に
そんな情熱的な先生と出会えたためか
中学生はとても成長しています。
まだ3回目ですが。

願わくば半年後の舞台で
燃焼して終わってしまうのではなく
ずっと続けていってくれればいいのになぁと
思います。

そんな人が
少しでも増えてくれることを
祈りつつ
どんな人に対しても
本気になって
ぶつかっていきます。。。

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