2008/01/14
白鳥は
死の前に
ただ一度だけ
もっとも美しい声で
鳴くという。

「詩人の恋」
もしフリッツ・ヴンダリッヒの
詩人の恋に出会わなかったならば
この曲にここまでのめり込むことはなかっただろう。
カルロス・クライバー
この演奏に出会わなかったならば
私は演奏などしなかったかも知れない。

ヴンダリッヒの詩人の恋。

ただ美しく

美しい

限りなく
美しい

他に言い表す言葉があるだろうか?

ただまっすぐに
なんのよけいなものもなく
ひたすら美しいだけなのである。

なんの思想も
表現も解釈も
必要ない

他のどの詩人の恋の演奏を聴いても
作品としての魅力は色あせてしまう

それ程までにヴンダリッヒの詩人の恋は
輝いている。

カルロス・クライバー
これだけの名声を博していたのにもかかわらず
正規録音は極端に少ない。
最後の20年は指揮台に上がるという
だけでもニュースになった。
しかも実際に指揮するかどうかは
当日にならないと解らない。

今気が付いた
ヴンダリッヒもクライバーも
1930年生まれだ!

1966年36歳目前にして事故により世を去った。
彼の歌を聴けたのはわずか10年前後。

クライバーが本当に輝いていたのも
10年くらいだろうか?

ヴンダリッヒの名唱は
「詩人の恋」の他に
なんといっても
「美しき水車小屋の娘」
クライバーの名演は
ベートーヴェンの交響曲第7番、第4番
ブラームスの交響曲第4番など

ヴァーグナーのトリスタンとイゾルデも好きだが。

もっと沢山の録音を聞きたい。
聞けるだけのものを集めたい。
しかし、もっと長生きして
多くの録音を残して欲しかった

とは思わない

詩人の恋が聞ければ十分である

あのベートーヴェンを振る
最高の指揮姿が見れれば
十分である。


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