2010/11/30
本を最近めっきり読まなくなった私だが

先日京浜東北線の電車に乗っているとき
ある記事が目に付いた。

「若い人よ、海外に出よ」
という見出しの朝日新聞の広告が目に飛び込んできたのだ。

そう、これは確か以前、新聞で読んだ記事である。

佐々木閑氏が2007年から2009年にかけて
朝日新聞に連載していたコラムのひとつである。

これを最後まで電車の中で読み切る時間が無かったのが残念だが
私はこのコラムをいつも楽しみにしていたように思う。

仏教を通して日本人の価値観をとても的確に
分析力豊に自分の信念として表現していたことが
私に毎週この記事を読むことを楽しみにさせていた。

私はどうしてもこのコラムをもう一度読み直してみたくなった。

「日々是修行」
現代人のための仏教100話
筑摩書房
佐々木閑著

おもえば私は中学から高校にかけて
様々な仏教に関する本を読んだ。
そして仏教音楽である「声明」にのめり込み
声明を究めるためには僧侶になるしかない
などと一時期考えもしたものだ。
それが雅楽に変わっていったのも
ほんのちょっとしたきっかけに過ぎない。

佐々木氏の書いている文章によると
私はきっと敬虔な仏教徒であることに間違いない。

さて
この「日々是修行」
の本を読み進めていくと
「若い人よ、海外に出よ」は
この本の中では
「求道の志で海外へ出よ」
と書いてある。

「国の勢いがなくなったせいだろうか、世界の一流を目指して海外に飛び出す人が減ったように思う。」

「留学なんかしなくても日本に居て勉強すればいいじゃないか、と考える人が増えているらしい」

「仮に「自分の専門分野では、日本が最先端だ、と思っていても、もう一歩上を目指して外に飛び出す。そういう心意気がなければ一流は無理だ。」

「昔の僧侶は、よく旅をした。「どこそこによい先生がいる」「なになにというお寺に立派な学僧が集まっている」と聞けば、即座に旅に出る。」

「連日の野宿で、病死することも多い。それでも彼らが歩み続けたのは、「自分をもっと高めたい」という、求道の気概があったからである。」

このコラムを読んでいると
どこかの政治家が
「何故一番でなければいけないのですか?二番ではいけないのですか?」
といったのを思い出す。

そして、その広告の先にはこう綴ってあった
これは朝日新聞の社説なのだろうか?

今や海外に出て留学をしていては就職戦線に乗り遅れてしまう
それも海外へ出れないひとつの理由である。

まぁ、私が国際情勢までどうこう語れる程のものでは無いが
今まで考えてきたことは
やはりここに端を発していて
結局はここに戻ってきて
ああ、やっぱりそれで良いのだと
自分の中で考える事のできるのは
やっぱり自分の中に見つけるしかないのだと。

・・・と意味不明なことを書いていますが・・・

さてさて
今日で39歳になりました。

いいかげんいい歳だなぁ

昔、見上げていた39歳は
とても立派な人たちばかりだったが
私はまだまだ駆け出しの”若手”音楽家である。

さてさて
これから100年後のために何が出来るだろうか?

まだまだ可能性はいっぱいあるはずだ

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