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2012/10/31
楽譜に向かって

真剣に
弾くオーケストラ
全員の動きは
ぴったりと合い
まるで機械のように動く。
それは
ソルフェージュの試験をするごとく
しっかりと音符を弾いていく。
人間が
その持っている人間性をなくし
機械の歯車となって
デジタルの音を紡ぎ出しているとしか
聞こえず、彼らの音は
聴衆ではなく
楽譜に向かって放たれている。
いっぽう
おのおのが
勝手な方向を向いて
好きな動きをして
自由に音楽を奏でる
しかしそれは
動物のひとつひとつの
細胞や筋肉であり
それぞれの役割を担い
全体を見た時に
ひとつのうねりのような
生き物のように聞こえる。
オーケストラの団員は
音楽の構造の一部ではなく
それぞれがソリストである。

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